Nobuyo Yagi

ラテンに学ぶ幸せな生き方
ラテンに学ぶ幸せな生き方
講談社(2010年)
WHOの出している自殺率の国際比較では、自殺率の低い国として、ラテンアメリカ諸国がずらりと並んでいます。「無縁死」という事態も、ラテンアメリカではほとんど考えられないと、私の当地の友人たちは言います。ラテンアメリカ人の生活満足度が高く、少なくとも、日本人やアメリカ人よりは、ぶっちぎりに「幸福に生きている」ということは、まぎれもない事実のようです。
そして何より、統計を見るまでもなく、ラテンアメリカに暮らした経験のある人なら、明らかにそのことを体感しています。皮肉な見方をすれば、「おめでたい」のかもしれませんが、彼らがほんとうに「幸せ」に生きていることを。そのほか、
  • 筋金入りのラテン男は、妻の目の前でも、平気で別の女を口説くというのは本当か?
  • ソフトバンクのCMの「犬のお父さん」をラテン人はどう見るか?
  • 「アリとキリギリス」のイソップ童話で、本当にキリギリスは冬に飢え死にしたのか?
  • 日本の小学校の教科書に出ているメキシコ民謡「ラ・クカラチャ」がゴキブリを歌った歌というのは本当か?
  • 有名曲「コンドルは飛んでゆく」の信じられないオリジナル・バージョン
  • なぜ、ラテンアメリカに「引きこもり」がほとんど存在しないのか?
など、ちょっと目からウロコのラテン雑学もお楽しみください。
禁じられた歌──ビクトル・ハラはなぜ死んだか
禁じられた歌──ビクトル・ハラはなぜ死んだか
Amazon Services International, Inc. (2013)
1973年、チリで軍事クーデターが勃発し、世界で初めて選挙によって成立したアジェンデ社会主義政権が崩壊した。このとき、チリ・スタジアムに政治犯として収容され、「歌によって扇動した」咎により、虐殺された歌手がいた。ビクトル・ハラ。当時、38歳。当時、多くの曲を書いたシンガーソングライターとして、すでにチリ国内ではよく知られていた彼だったが、この事件で、ピノチェトによるクーデターの恐るべき実態は世界に広く報道され、ビクトルの名は、伝説となった。
そのビクトル・ハラは、なぜ、死んだのか?
ビクトルの周囲の人々へのインタビューによって、クーデター前後のチリとビクトル・ハラの姿を描き出したドキュメンタリー。日本図書館協会選定図書。
※2013年、Amazon Kindle版で復刊しました。タブレット、スマートフォン、PCなどでお読み頂けます。
キューバ音楽
キューバ音楽
青土社(2009)
キューバ音楽が話題になっている。確かに、人を惹きつけて不思議ではないものが、キューバ音楽の中にはあると思う。(「まえがき」より)
あの吉田憲司との共著で、前半部分にキューバ音楽の歴史を語り、後半にキューバ音楽の理論を解説する、最強のキューバ音楽解説書。『ブエナビスタ・ソシアル・クラブ』でキューバに興味を持ったという超初心者の方から、かなりマニアックな方まで、守備範囲は広い。合間には、おもしろコラムも多数。
意外にも、かのマリー・アントワネットのわがままから物語ははじまる。そして、情熱の黒いルーツ、混血のカフェオレ色の物語を経て、エリアン君事件までをめぐる、キューバ音楽の数奇に満ちたドラマが語られる。
後半は、主に吉田憲司氏によるキューバ音楽の理論編。音楽を聴くのに理論なんて.....と思われる方もついつい身を入れてしまう面白さ。キューバ音楽の要といえるリズム『クラーベ』の謎が快刀乱麻のごとく解かれる。これで、あなたもキューバ音楽通になれるかも。
2009年、21世紀の動向も付け加えて、増補新版! 山口誠治氏の装丁も力はいってます!
浜田滋郎氏、矢沢寛氏絶賛。
貧乏だけど贅沢
貧乏だけど贅沢
文春文庫(2012)
えー、これは、八木の著作ではありません。
というか、この本は、沢木耕太郎さんと10人の人々の、旅を巡る対談集なのですが、その10人の中のひとりに八木が入っているわけ。まあ、それはそれでいいのだけど、この残り9人というのが、ちと凄いわけ。井上陽水さんでしょ。今福龍太さんでしょ。阿川弘之さんでしょ。高倉健さんでしょ。群ようこさんでしょ...........。
はっきりいって、八木以外はみんなメジャーな方たちばっかりなのさ。(^_^;)
内容も「森の少女とカジノの男」(井上陽水)、「死に場所を見つける」(高倉健)、「博打的人生」(田村光昭)など、タイトルだけでも心をそそるものがあるでしょ。ちなみに、八木は9番目の「ラテンの悦楽」で登場しています。 というわけで、ちょっとお値打ちの一冊ではあります。
キューバ音楽
リアルタイムメディアが動かす社会: 市民運動・世論形成・ジャーナリズムの新たな地平
東京書籍(2011)
2011年5月から7月にかけて、明治大学情報コミュニケーション学部がおこなった学外講師による連続講義。その講師陣のあまりの顔ぶれの濃ゆさと豪華さにネット世界では話題騒然となったのでしたが、その内容がなんとまるごと書籍になりました。
なぜここにいるのか本人にもわからない八木啓代をなぜか皮切りに、チェチェンやアフガニスタンでの拉致監禁や誘拐経験の豊富な戦場ジャーナリストの常岡浩介氏・記者クラブの天敵でプルトニウム・ジャーナリスト(しばしばスイカ・ジャーナリストやゴルフ・ジャーナリストでもある)の上杉隆氏・Ustreamを駆使した一連の検察報道や東電報道で有名なジャーナリストの岩上安身氏・日本で最もパソコンとネット通信に詳しい漫画家のすがやみつる氏・「日本の現在」の中で孤立する若者の心の問題に詳しいライターの渋井哲也氏・元特捜検事でコンプライアンスの専門家で、震災時はTwitter上で大活躍された郷原信郎氏・「tsudaる」というネット用語の元になった元祖Twitterユーザーでジャーナリストの津田大介氏、という、どうだ、凄いメンバーだろう。(八木以外は)
現在の社会で、TwitterやSNS、Youtubeニコ生やUstreamなど、リアルタイムメディアというものが話題になる中で、それらはどう動いているのか。リアルタイムメディアとは何か、その本質は.....。
それぞれ(八木以外は)第一線で活躍する方たちの深い考察が炸裂します。どうか本を立ち読みした人が、最初の八木のページだけ見て、購買意欲を喪失しないことを願うばかりです。
MARI
検察崩壊―失われた正義
毎日新聞社(2012)
2011年12月に明らかになった田代政弘検事による、虚偽報告書問題。検察審査会での小沢起訴議決を誘導した可能性が高いとして、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」によって刑事告発されたこの捏造文書に対して、これを助けるかのように、2012年5月、問題の田代報告書と石川反訳書がインターネットに流出する。にもかかわらず、それを見なかったかのように、最高検は不起訴の決定を下し、同時に、検証報告書を発表したが、その報告書自体が欺瞞に満ちたものだった......!
インターネット流出資料を見て、「インターネットで流出している書類を見れば、記憶違いではないと、誰しもが思う」「もう今後50年は、検察は信頼回復できないと思います。」と語る小川元法相。
「田代報告書と録音反訳書の二つだけを法廷に出せば、否認のままで有罪をとれると思います。」と断言する大坪元大阪地検特捜部長。
「検察は、政治は自分たちが決めていると思っている。」と、最終報告書をズタズタにするような爆弾発言炸裂の石川議員。
そして「これはどう考えても、日本という国で、検察が起こしたクーデターなんです。」と語る八木。
検察で、いま何が起こっているのか。何処へ行くのか。必読の一冊です。
MARI
危険な歌―世紀末の音楽家たちの肖像
幻冬舎文庫(1998)
タイトルそのまんまです。食をめぐる旅のエッセイ。しかもレシピつき。
レシピは、真剣に料理を作ろうというほど、キッチンにいろいろ揃えていない人でもできる人でも大雑把に作ることができて、しかもおいしいものばかり。というのも、肝心のわたし自身が、それほど几帳面でもまめでもないくせに、おいしいものを食べるのだけは大好き、という人間だからです。
だもんで、これが案外評判がいいの。これで料理にはまったというお手紙を何通ももらってしまいました。
あなたも簡単でおいしいレシピがあったら、是非、教えてください。
MARI
MARI
幻冬舎(2000)
1989年11月、パリの産婦人科医ドミニクは奇妙な患者を診察した。中米から来たというその娘は、認可されているはずのない避妊薬を注射していたという。その直後、麻薬密輸の首謀者でありパナマの独裁者であるノリエガを倒すため、米軍がパナマに侵攻した。その混乱の中で、ドミニクの親友で日本人オペラ歌手の万梨は、婚約者で報道カメラマンのロベール・デュボワが、消息を絶ったことを知り、急遽、パナマに向かう。
侵攻後、パナマは米軍によって36時間にわたって封鎖され、あらゆるボランティア団体も入国を拒否された。新型兵器実験の可能性を疑う国際赤十字は、調査員グニラ・ニルセンをパナマに送り込むことを決断。そして、現地で取材活動を続けていたスペインの特派員フィゲロア、ボランティア志願のアメリカ人医師パトリック。4人が巡りあい、行動を共にするなかで、奇妙な動きをするカトリック教会。そして、麻薬組織の暗躍。いったい、パナマで起こったことは、本当は何だったのか?
筆者初の小説にして、渾身の国際謀略サスペンス。1200枚。井家上隆行氏、すがやみつる氏絶賛。
また、西口司郎氏の気合いの入った表紙イラスト・多田和博氏の装幀も一部で話題に。
喝采がお待ちかね
喝采がお待ちかね
光文社文庫(1998)
なぜか、椿事珍事が次々に襲うワタシの周辺には、これまた奇人変人が勢揃い。それも、アル中の天才詩人やら、謎のプロレスラーやら、武装ゲリラやら、テロリストやら、めったやたらにテンションの高いトランペット奏者やら..........。だから、静かに暮らしたいはずのワタシなのに、いつも騒動に巻き込まれてしまうのでした。
まだインターネットが一般的でなかった時代、パソコン通信NIFTY-Serve(現@Nifty)上ではじまった八木の身辺雑記が、この本の前身。当時、かなりいろんなとこに転載されて、ちょっとした話題になりました。
とはいえ、これ、本にしたくはなかったのですよね、ホントは。
でも、光文社の編集者さんの粘りに負けて、ついに刊行! 光文社さんが期待していたほどのベストセラーにはならなかったのだけど、この作品で八木に「はまる」人が続出。その後、次々に八木作品が、複数の出版社から刊行されるきっかけを作ってくれた本です。
オリジナル版装幀:川島進 文庫版装幀:多田和博
ラテン女のタフで優雅な生き方
ラテン女のタフで優雅な生き方
大和出版(1998)
顔やスタイルに自信がないぐらいで、失恋ごときで、くよくよするな! ラテンの女たちの、迫力と自信に満ちた生き方を見れば、なんか肩の力が抜けちゃうよね。 まあ、それが日本に住むあたしたちにとって、100%の解決をもたらしてくれるかっていうと、それは世の中そんなに甘くはないんだけど、でも、ほんのちょっとものの見方を変えるだけで、すっかり肩の力が抜けるっていうのも、また、よくあることだったりするのさ。 というわけで、女性向け・元気の出る本の決め手です!
実は書いたときは、それほど大それたことを考えていたわけではなかったのだけど、この本を読んで、ドツボの失恋から立ち直れたとか、新しい人生を踏み出す気になれた.......etcのお手紙を何通もいただいてしまいました。 私はそんなに立派な人間じゃないけど、ほんのちょっと誰かを元気にすることができたら、それは、とってもうれしいことです。
(でもなぜか、男性で買っていく人も多いらしい。女性心理の勉強になると思っているのだろうか?)
MARI
危険な歌―世紀末の音楽家たちの肖像
幻冬舎文庫(1998)
『禁じられた歌』の続編的な作品。
ビクトル・ハラは非業の最期を遂げて伝説となったけれど、歌うことで戦った人たち、戦わざるをえない人たちは、もちろん、彼だけじゃなかった。ペルーのタニア・リベルタ、ニカラグアのメヒア=ゴドイ兄弟、ウルグアイのダニエル・ビリエッティとアルフレド・シタローサ、メキシコのアンパーロ・オチョアやロス・フォルクロリスタス、キューバのパブロ・ミラネスやシルビオ・ロドリゲス......。
こういうふうに書いてしまうと、それはただの名前の羅列にすぎないのだけれど、そのひとつひとつに歴史のドラマがあって、わたしたちに語りかけてくるものがある。歴史の荒波に翻弄されながらも、中南米に脈々と流れる『新しい歌』の流れを、エッセイ風に綴った作品。